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Tetrakis[3,5-bis(pentafluorosulfanyl)phenyl]borate: A Weakly Coordinating Anion Probed in Polymerization Catalysis

Daniel Langford, Inigo Göttker-Schnetmann, Florian P. Wimmer, Larissa A. Casper, Philip Kenyon, Rainer F. Winter, Stefan Mecking* Publication Date:July 3, 2019 https://doi.org/10.1021/acs.organomet.9b00332 Copyright © 2019 American Chemical Society Organometallics の論文です。ニッケル触媒の仕事、というよりカウンターアニオンとして新たに合成された、ペンタフルオロスルファニル基(-SF6)を有するボレートが渋いので、紹介します。 近年、トリフルオロメチル基は高い電子求引性を有する置換基として大活躍していますが、同様に高い電子求引性を有するSF6基は、"スーパー"トリフルオロメチル基としての地位を確立しつつあるそうです。 我々のグループでもよく用いているテトラフェニルボレートアニオン(BPh4-)は、優れた対アニオンですが、酸化剤と反応してしまうこともあることが知られています。カーリンらのグループ?からは、フェニル基の3,5位に、電子求引性の高いCF3を導入した錯体を用いると、活性種の安定性が大きく変わることを報告しているようです。このようなアニオンはBArFと呼ばれて親しまれています(下図左)。 本論文で著者らは、対応するグリニャール試薬とBCl3を反応させることで、下図右のカウンターアニオン、S-BArFを新たに合成しています。高い電子求引性による電荷の分散効果と、立体によるホウ素中心への攻撃の阻害が期待されます。 250°Cくらいまで、熱には安定なようです。筆者らは、ニッケル錯体の対アニオンとしてこのアニオンを利用したところ、重合触媒活性があがったと報告しています。ニッケル錯体と、対アニオンの相互作用が小さいこと、対アニオンの安定性が高いことなどの理由があると思います(このあたりはちゃんと読んでいません)。 計算したところ、HOMOの非局在化具合はBArF、S-BArFとあまり変わらない(それぞれ、92%、93%)ようですが、LUMOがS-BArFで...