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12月, 2017の投稿を表示しています

Thermodynamics of a μ‐oxo Dicopper(II) Complex for Hydrogen Atom Abstraction

Ghazanfar Ali, Peter E. VanNatta, David A. Ramirez, Kenneth M. Light, and Matthew T. Kieber-Emmons * http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jacs.7b10833   銅のµ-oxo錯体を生成し、そのキャラクタリゼーションと反応性を見ています。 活性は低いですが水素引き抜き反応を進行し、DFT計算を用いてpMMOの活性サイトの話を交えて議論しています。

Manganese(V) Porphycene Complex Responsible for Inert C−H Bond Hydroxylation in a Myoglobin Matrix

Koji Oohora,*,†,‡,§ Hiroyuki Meichin,† Yushi Kihira,† Hiroshi Sugimoto,∥ Yoshitsugu Shiro,∥,⊥ and Takashi Hayashi DOI: 10.1021/jacs.7b11288 http://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.7b11288 Jacsから、林研の大洞先生の論文です。 ミオグロビンにポルフィセンのマンガン錯体を導入し、酸化活性種の同定および酸化反応を行っています。 過酸を酸化剤としてマンガンオキソ錯体が生成し、BDE95程度まで酸化できるようです。 中間体の寿命が伸びたことが今回の系では効いているとのことです。

Light-driven C-H Oxygenation of Methane into Methanol and Formic Acid by Molecular Oxygen Using Perfluorinated Solvent

Kei Ohkubo,* [a,b,c] and Kensaku Hirose Angew Chem Int Ed Engl. 2017 Dec 11.  doi: 10.1002/anie.201710945. [Epub ahead of print] http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201710945/epdf メタンからメタノールへの水酸化反応を、亜塩素酸ナトリウム、塩酸、酸素の存在条件下で光を照射することによって行っています。 反応の要点は、亜塩素酸ラジカルの光分解により生成するクロライドラジカル(Cl•)の高い水素引抜き活性を、C–H結合の開裂で利用している点で、生成したメチルラジカルは、速やかに酸素と付加し、連鎖反応が進行します。 有機化学の教科書でも類似の反応が出てきますが、そこでのプロダクトはクロライドラジカルがメチルラジカルと結合した塩化メタンです。 本論文のもう一つのポイントは、パーフルオロアルカン溶媒を用いているところですが、これにより、酸素濃度、メタン濃度が共に高まることにより、酸素付加が優先していると考えられます。筆者らは、亜塩素酸ラジカルからの酸素分離過程で生じる一重項酸素(リン光測定により検出)も、速やかな酸素付加に寄与しているとしています。 この反応では85%のギ酸も副生しますが、メタンのconversionが99%、メタノールの選択率が14%という高い値を示すことは驚きです。 次亜塩素酸ラジカルの量に対する生成物の量(Molar conversion efficiency)が、約2であることから、触媒的効率はよくありませんが、参考にできる点が多い論文です。

Oxoiron(IV) complexes as synthons for the assembly of heterobimetallic centers such as the Fe/Mn active site of Class Ic ribonucleotide reductases

Ang Zhou1  · Patrick M. Crossland1  · Apparao Draksharapu1  · Andrew J. Jasniewski1  · Scott T. Kleespies1  · Lawrence Que Jr.1 https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00775-017-1517-5#enumeration 非ヘムの鉄四価錯体とクロム、マンガン、(セリウム、スカンジウム)の二価錯体を反応させることで酸素で架橋されたヘテロの2核錯体を合成し、それらの錯体をUV-Vis、 Raman、X線吸収分光法、MSなどで同定しています。 鉄-クロム錯体ではUVで鉄-鉄錯体とは異なる3つのバンドが確認され、それらの位置は鉄のリガンドによって、強度は軸の配位子で変化しているようです。 一方で鉄-マンガン錯体では鉄-鉄錯体と似たバンドが確認されました。 また。ラマンスペクトルから非対称なFe-O-M振動が見られ、これはFe-Oの結合長の変化から理解されます。 鉄-マンガン錯体はモデルとしての役割がありますが、特に12-OAcのアセテート架橋錯体はさらなる発展が期待されているようです。
Temperature Dependence of the Catalytic Two- versus Four-Electron Reduction of Dioxygen by a Hexanuclear Cobalt Complex Ines ́ Monte-Per ́ ez, † , # SubrataKundu, † , # AnirbanChandra, † KathrynE.Craigo, ‡ PetkoChernev, § Uwe Kuhlmann, ∥ Holger Dau, § Peter Hildebrandt, ∥ Claudio Greco, ⊥ Casey Van Stappen, * , ‡ , ∇ Nicolai Lehnert, * , ‡ and Kallol Ray * , † Cite This: J. Am. Chem. Soc. 2017, 139, 15033-15042 Question: Coのproxy種のCo周りの構造について Co2つだけを取り出したユニットのperoxo種の最適化構造は論文に示されており、 上図の通りです。 一方で結晶構造解析に成功しているスタノキサンコアを含む配位子について そのコバルトが配位するあたりの距離を調べたところ だいたい9–10Åほどありました。確かに最初に示したように酸素分子の架橋構造から推定される5Åよりもはるかに大きな値となっていました。 スタノキサンコアについてはmetalation後も配位子だけの状態とほとんど変化がないと本文中で述べられていましたが、 (IRと119Sn NMRを測定することにより) デンドリマーの側鎖部分の柔軟性については特に議論されてい

High-Energy-Resolution Fluorescence-Detected X‑ray Absorption of the Q Intermediate of Soluble Methane Monooxygenase

Rebeca G. Castillo,† Rahul Banerjee,‡ Caleb J. Allpress,§ Gregory T. Rohde,§ Eckhard Bill,† Lawrence Que, Jr.,*,§ John D. Lipscomb,*,‡ and Serena DeBeer*,† † Max Planck Institute for Chemical Energy Conversion, Stiftstrasse 34-36, D-45470 Mülheim an der Ruhr, Germany ‡ Department of Biochemistry, Molecular Biology, and Biophysics and § Department of Chemistry, University of Minnesota, Minneapolis, Minnesota 55455, United States http://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.7b09560 HERFD XASを用いて、sMMOの活性部位の構造について議論しています。 まだ実験、計算が必要だが、オープンコアの構造を有していると著者らは述べています。