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7月, 2017の投稿を表示しています

Nitrogen reduction and functionalization by a multimetallic uranium nitride complex

Marta Falcone, Lucile Chatelain, Rosario Scopelliti, Ivica Živković & Marinella Mazzanti Nature 547, 332–335 (20 July 2017) doi:10.1038/nature23279 Received 19 November 2016 Accepted 07 June 2017 Published online 19 July 2017 https://www.nature.com/nature/journal/v547/n7663/pdf/nature23279.pdf 日本語解説: http://www.nature.com/nature/journal/v547/n7663/fp/nature23279_ja.html?lang=ja&foxtrotcallback=true ウラン(III)に、常圧の窒素を吹き込むと、N≡N結合が切れたという論文です。 ボンドが切れたのち、プロトンを入れるとプロトン化が進行し、COを吹き込むとイソシアナートになります。つまり、U–N相互作用が強すぎることはないということで、これは効率的な触媒サイクルを構築する際には重要な条件の一つとなります。 ハーバーらの研究でも、ウランがアンモニア生成を上手く触媒するという知見が得られていたようですが、それを分子化学的に明らかにしたような研究と言えます。 たくさん結晶構造が決まっていて、羨ましい限りの研究です。 ※日本は原子力に対するアレルギーがあり、あまりウランの研究はされていませんが、アメリカ、欧米では、このあたりの超重元素の利用についても予算がつくので、ちょろちょろと良い研究が出てきます。

Catalytic allylic oxidation of internal alkenes to a multifunctional chiral building block

Liela Bayeh, Phong Q. Le & Uttam K. Tambar Nature 547, 196–200 (13 July 2017) doi:10.1038/nature22805 Received 13 December 2016 Accepted 25 April 2017 Published online 21 June 2017 Article tools pdfのurl:  https://www.nature.com/nature/journal/v547/n7662/pdf/nature22805.pdf 日本語の解説記事 http://www.nature.com/nature/journal/v547/n7662/fp/nature22805_ja.html?lang=ja 立体選択的かつ位置選択的な、内部オレフィンの官能基化についての論文が報告されています。コバルト触媒存在条件下、 不斉源をバイノールとして 、スルフォキシアミドが立体選択的に導入されます。合成反応として重要な点は、スルフォキシアミドは立体を保持したまま、種々の官能基へと変換することが可能です。当然、残っているオレフィン部位も様々な変換が可能です。オレフィンの官能基化をしている方は参考になる論文ではないでしょうか。特に、イントロダクションにしっかり目を通し、どのように重要性を説いているか、ぜひ確認してください。

Electrocatalytic Water Oxidation by a Homogeneous Copper Catalyst Disfavors Single-Site Mechanisms

Electrocatalytic Water Oxidation by a Homogeneous Copper Catalyst Disfavors Single-Site Mechanisms Sara J. Koepke, Kenneth M. Light, Peter E. VanNatta, Keaton M. Wiley, and Matthew T. Kieber-Emmons*  Department of Chemistry, University of Utah, Salt Lake City, Utah 84112-0850, United States J. Am. Chem. Soc., Article ASAP DOI: 10.1021/jacs.7b03278 Publication Date (Web): May 30, 2017 Copyright © 2017 American Chemical Society *matthew.kieber-emmons@utah.edu http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jacs.7b03278 本論文では、銅錯体による水の酸化触媒反応において、二核銅錯体 [(L)Cu(II)]2-(μ-OH)2}(OTf)2 (L = Me2TMPA = bis((6-methyl-2-pyridyl)methyl)(2-pyridylmethyl)- amine(上図右上)が反応活性中間体であるということを報告しています。この二核の反応中間体は 分光学的手法や電気化学的手法さらに計算化学的手法により同定されています。 これまでの銅錯体による水の酸化触媒の反応中間体には、同じような水の酸化触媒であるRu錯体やIr錯体のように単核Cu(IV)O/Cu(III)−O• 錯体を反応中間体として経由し反応が進行すると報告されていました。 DFT計算によってこの二核錯体は ・分子間の水の求核攻撃 ・還元によって生成する {[LCu(III)]2-(μ-O)2}2+ がO-O結合生成のためのpath としてエネルギー的に起こりうるということを明らかにしています。 同じ水の酸化反応において、二核