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8月, 2017の投稿を表示しています

A New Mechanism for Ethanol Oxidation Mediated by Cytochrome P450 2E1: Bulk Polarity of the Active Site Makes a Difference

Yong Wang, Chuanlu Yang  Prof., Hongming Wang Dr., Keli Han  Prof., Sason Shaik Prof. First published: 12 January 2007Full publication history DOI: 10.1002/cbic.200600510 Abstract original image Breaking the habit. A new mechanism, called reversed dual hydrogen abstraction (R-DHA), is presented for ethanol oxidation by cytochrome P450 2E1 (CYP2E1). It is shown that the competition of R-DHA with the consensus mechanism (gem-diol) is modulated by the ethanol population in the enzyme pocket. Thus, as a response to growing blood ethanol level, CYP2E1 adapts its ethanol metabolism by a mechanistic switch from gem-diol to R-DHA. イスラエル、Shaik グループの、アルコールの酸化メカニズムについての計算の論文です。体内でエタノールを代謝する主な酵素はアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)ですが、この酵素だけでは、体がアルコール耐性を獲得することを説明できないとして、P450もアルコールの酸化を行っているとする学説があるそうです。 そこでShaikらは、エタノールの酸化メカニズムについての検討を行いました。 アルコールの酸化メカニズムは幾つか考えられますが、現在鉄オキソ系で、もっとも支持されているものは、α位の水素引き抜きと、続いて進行するヒドロキシラジカルのリバウンドメカニズムです。ここでは不安定なジェミナルジオールが生成するため、速やかに脱水が進行してアルデヒドを与えます。 かれら...

構造生物学:タンパク質は、超分子が自己集合する危険にさらされながら進化する

Hector Garcia-Seisdedos, Charly Empereur-Mot, Nadav Elad & Emmanuel D. Levy Nature 548, 244–247 (10 August 2017) doi:10.1038/nature23320 Received 28 July 2016 Accepted 20 June 2017 Published online 02 August 2017 https://www.nature.com/nature/journal/v548/n7666/pdf/nature23320.pdf [解説記事] http://www.nature.com/nature/journal/v548/n7666/fp/nature23320_ja.html?lang=ja タンパク質の、グチャグチャとしてとらえどころのない形、みなさんは好きですか? 僕は学部学生の時から嫌いでした。どこから眺めてやればいいかわからない! でも、タンパク質の形が「きたない」のには理由があるそうです。 先日、ATPは生体内のエネルギー通貨としての機能だけではなく、タンパク質の凝集を防いでいる、という論文がNature誌にでましたが、超高濃度で分子がひしめく細胞内では、タンパク質の凝集は機能不全、つまり死を招く、大変危険な現象です。 脳細胞におけるアミロイドの蓄積も、その範疇の1つでしょう。 タンパク質を一からデザインしてやろうという、先駆的な試みを行っているワシントン大のデイビッドベイカーらも、凝集しないタンパク質を設計するのは大変だ、と何処かに書いてました。 タンパクチームの皆さんは、一般的なタンパク質はほんの少しの環境変化で、すぐに沈殿してしまうということを藤枝先生に、繰り返し言われていることと思います。 この、凝集を防ぐために、タンパク質は凝集しにくい非対称性な構造を持っているという考え方を提示する、大変興味深い研究です。 [日本語アブスト引用]_____________________ タンパク質が自己集合して対称的な複合体を形成する現象は、生命の全ての界で広く見られる。対称的な構造を持つ複合体は、独特な幾何学的...

IC2017,56号からのPick Up

Magnetic Anisotropy from Main-Group Elements: Halides versus Group 14 Elements Scott C. Coste ,  Bess Vlaisavljevich , and  Danna E. Freedman pp 8195–8202 Publication Date (Web):  June 29, 2017  ( Article ) DOI:  10.1021/acs.inorgchem.7b00923 Synopsis A series of iron(II) complexes display an increase in magnetic anisotropy as a function of axial halide and group 14 element mass. SQUID magnetometry shows that magnetic  anisotropy is more significantly influenced by the mass of the halide rather than the covalently bound group 14 element. The study highlights the importance of spin-bearing molecular orbital interaction with the heavy element providing spin−orbit coupling for the implementation of the heavy-atom effect.  Minimize 論文の中身は読んでないですが、面白い配位子系ですよね。うまいことM–Mボンドを作りながら、オキソ錯体なんかをつくると、強烈な酸化剤になるかもしれません。 Reversible Hydride Transfer to  N , N ′-Diarylimidazolinium Cations from Hydrogen Catalyzed by Transit...