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雑誌会(191204)回答_境田

雑誌会(191204)回答_境田 投稿者: Sakaida Megumu 3 月 13, 2020 Catallytically Relevant Intermediates in the Ni-Catalyzed C(sp 2 )-H and  C(sp 3 )-H Functionalization of Aminoquinoline Substrates. Pronay Roy, James R. Bour, Jeff W. Kampf, and Melanie S. Sanford DOI: 10.1021/jacs.9b09109 J . Am. Chem. Soc. ASAP Q1. Niを用いたCーHヨウ素化反応におけるヨウ素分子の役割  本論文の中で紹介した、CーHヨウ素化反応において、加えられているヨウ素は、経由する有機金属錯体の中心金属である、ニッケルへのヨウ素原子供与剤であるのと同時に、ニッケル中心への酸化的付加を引き起こす、酸化剤としての役割を果たしている。 Q2.  C(sp 2 )-Ni結合をもつNi錯体(2a)の合成法について誰の文献を引用しているか。  無水物とイミドがニッケル0価に酸化的付加するという知見は下に示す、参考文献1によって得られ、続く、脱カルボニル化反応によるニッケル2価錯体の形成は以下の参考文献2によって、得られている。 参考文献 1.    Zhang, Y.; Rovis, T.  J. Chem. Soc ., 2004 , 126 , 15964–15965. 2.    Castano, A, M.; Enchavarren, A, M . Organometallics, 1994 , 13 , 2262–2268. Q3.  C(sp 2 )-Ni結合をもつニッケル錯体と異なり、 C(sp 3 )-Ni結合をもつニッケル錯体を基質として用いて、140℃まで、昇温したとき、分子内でCーN結合形成反応が起こるのか。   本論文には詳細な説明は書いていないが、ニッケルと直接結合し...

雑誌会(200115)回答_藤田

Ligand Redox Noninnocence in  [Co III (TAML)] 0/–   Complexes Affects Nitrene Formation Nicolaas P. van Leest, Martijn A. Tepaske, Jean-Pierre H. Oudsen,  Bas Venderbosch, Niels R. Rietdijk, Maxime A. Siegler, Moniek Tromp, Jarl Ivar van der Vlugt, and Bas de Bruin DOI: 10.1021/jacs.9b11715 J . Am. Chem. Soc. ASAP 訂正 雑誌会スライド8、9枚目の [Co III (TAML sq )] – の有効磁気モーメントの数値が [Co III (TAML red )] – のものになっていましたので、訂正致します。 誤: µ eff = 2.94  µ B ( S  =1/2) 正: µ eff =  1.88  µ B  ( S  =1/2) Evans 法 NMR によって常磁性化合物の磁化率を求める方法。以下の式1– 5によって磁化率、有効磁気モーメントおよびスピン量子数 S が得られる。 以下は Supporting Information の記述である。 1.      常磁性種、内部標準を含んだ溶液を入れた NMR チューブの中に、内部標準だけを含んだ溶液を入れたキャピラリーを入れ、 NMR を測定する。 2.      内部標準のピークのシフト幅 Δν から磁化率 χ (cm 3 g -1 )を 計算する(式1)。 1 (ν 0 :  共鳴周波数、 c : 常磁性種の濃度、 M :  常磁性種のモル質量 ) 3.      磁化率 χ に M を 掛けること で、モル磁化率 χ M (cm 3 mol -1 )を 計算する(式2)。 ...

雑誌会 (191120) の解答

雑誌会 (191120) の解答 Well-Defined Silica-Supported Tungsten(IV)−Oxo Complex: Olefin Metathesis Activity, Initiation, and Role of Brønsted Acid Sites  abstract  本論文の実験は、大きく分けて2つの目標を以て行われた。1つ目は、既にメタセシス活性を有していることが明らかにされているタングステン錯体を表面にシラノール基が生えているシリカに担持することで、反応活性を向上させることである。2つ目は、担持によって錯体が二量体になり、失活することを防ぐことでどのようなメカニズムでメタセシス反応が進行しているのか解明しようとしたことである。  シリカに対して加熱処理することでシリカ表面のシラノール基密度を制御するといった興味深い操作も記載されており、私の研究にも応用できそうな内容だった。 Q1. シラノール基 (シリカ表面のヒドロキシ基) の定量測定はどのように行っている?  論文中には定量法についての記述は見られなかったが、日本アエロジル (株) 営業部 小澤匠吾氏より頂いた資料によると、「圧力 15mmHg以下、温度120 ℃で3時間乾燥した後、LiAlH4と反応させる方法」が正確かつ簡易であるらしい。 本論文の補足資料を見ていただくと分かることであるが、本論文中にて使用されているSiO 2-x (正確には、 AEROSIL®200 ) は乾式シリカという分類のであり、多孔質ではなく、表面にシラノール基が突出している構造をしている。  また、 AEROSIL®200 という名前から容易に推測できると思われるが、日本アエロジル (株) は本論文にて扱われている AEROSIL®200 を日本にて販売しておられる企業である。従って、上記のシラノール基定量法を本論文の著者たちも行っていた可能性は大いにあると考えられる。  さらに、本投稿のためにシラノール定量の方法に関して調査していた際、新たなシリカ表面シラノール基の定量分析に関する記事が2か月ほど前に発表されていることに気が付いた。この記事によると、従来のシラノール定量法と比較して非常に有用であるらしい。 Q2. スライド ...