Light-driven C-H Oxygenation of Methane into Methanol and Formic Acid by Molecular Oxygen Using Perfluorinated Solvent
Kei Ohkubo,*[a,b,c] and Kensaku Hirose
Angew Chem Int Ed Engl.
2017 Dec 11.
doi: 10.1002/anie.201710945. [Epub ahead of print]
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201710945/epdf
メタンからメタノールへの水酸化反応を、亜塩素酸ナトリウム、塩酸、酸素の存在条件下で光を照射することによって行っています。
反応の要点は、亜塩素酸ラジカルの光分解により生成するクロライドラジカル(Cl•)の高い水素引抜き活性を、C–H結合の開裂で利用している点で、生成したメチルラジカルは、速やかに酸素と付加し、連鎖反応が進行します。
有機化学の教科書でも類似の反応が出てきますが、そこでのプロダクトはクロライドラジカルがメチルラジカルと結合した塩化メタンです。
本論文のもう一つのポイントは、パーフルオロアルカン溶媒を用いているところですが、これにより、酸素濃度、メタン濃度が共に高まることにより、酸素付加が優先していると考えられます。筆者らは、亜塩素酸ラジカルからの酸素分離過程で生じる一重項酸素(リン光測定により検出)も、速やかな酸素付加に寄与しているとしています。
この反応では85%のギ酸も副生しますが、メタンのconversionが99%、メタノールの選択率が14%という高い値を示すことは驚きです。
次亜塩素酸ラジカルの量に対する生成物の量(Molar conversion efficiency)が、約2であることから、触媒的効率はよくありませんが、参考にできる点が多い論文です。
Angew Chem Int Ed Engl.
2017 Dec 11.
doi: 10.1002/anie.201710945. [Epub ahead of print]
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201710945/epdf
メタンからメタノールへの水酸化反応を、亜塩素酸ナトリウム、塩酸、酸素の存在条件下で光を照射することによって行っています。
反応の要点は、亜塩素酸ラジカルの光分解により生成するクロライドラジカル(Cl•)の高い水素引抜き活性を、C–H結合の開裂で利用している点で、生成したメチルラジカルは、速やかに酸素と付加し、連鎖反応が進行します。
有機化学の教科書でも類似の反応が出てきますが、そこでのプロダクトはクロライドラジカルがメチルラジカルと結合した塩化メタンです。
本論文のもう一つのポイントは、パーフルオロアルカン溶媒を用いているところですが、これにより、酸素濃度、メタン濃度が共に高まることにより、酸素付加が優先していると考えられます。筆者らは、亜塩素酸ラジカルからの酸素分離過程で生じる一重項酸素(リン光測定により検出)も、速やかな酸素付加に寄与しているとしています。
この反応では85%のギ酸も副生しますが、メタンのconversionが99%、メタノールの選択率が14%という高い値を示すことは驚きです。
次亜塩素酸ラジカルの量に対する生成物の量(Molar conversion efficiency)が、約2であることから、触媒的効率はよくありませんが、参考にできる点が多い論文です。
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