Long-Lived Photoexcited State of a Mn(IV)-Oxo Complex Binding Scandium Ions That is Capable of Hydroxylating Benzene
<質問1>
Sc(3+)の結合によってdz2軌道の順位が上がる理由
本文中には、Sc(3+)の結合によりσ-antibondingが不安定化すると記述されており、これをMn=O σ-antibondingだと解釈すると、dz2軌道は安定化するため、順位は上がるのではなく下がると考えられます。
また、先行研究(1)では、Sc(3+)の結合によりMn=O結合が伸長すると記述されており、このことからもdz2軌道が安定化することが考えられます。
(1) Fukuzumi, S. and co-workers, J. Am. Chem. Soc. 2013, 135, 9186.
<質問2>
Sc(3+)の結合により一電子還元ポテンシャル(Ered)が大きくなるのはなぜか。
高原子価metal-oxo錯体の一電子還元反応には大きな再配向エネルギー(λ)が必要であり、これは一電子還元過程においてmetal-oxo結合の伸長が生じるためです。
マーカス理論により、Sc(3+)結合後の再配向エネルギーλの値が結合前に比べて小さくなっていることがわかりました。これはSc(3+)の結合により、電子移動する前からすでにmetal-oxo結合が伸長しているため、一電子還元に伴うmetal-oxo結合距離の変化が小さくて済むためだと考えられます。
つまり、Sc(3+)の結合によりλが小さくなるため、Eredが大きくなると考えられます。
J.
Am. Chem. Soc. 2018,
140,
8405-8409.
<質問1>
Sc(3+)の結合によってdz2軌道の順位が上がる理由
本文中には、Sc(3+)の結合によりσ-antibondingが不安定化すると記述されており、これをMn=O σ-antibondingだと解釈すると、dz2軌道は安定化するため、順位は上がるのではなく下がると考えられます。
また、先行研究(1)では、Sc(3+)の結合によりMn=O結合が伸長すると記述されており、このことからもdz2軌道が安定化することが考えられます。
(1) Fukuzumi, S. and co-workers, J. Am. Chem. Soc. 2013, 135, 9186.
<質問2>
Sc(3+)の結合により一電子還元ポテンシャル(Ered)が大きくなるのはなぜか。
高原子価metal-oxo錯体の一電子還元反応には大きな再配向エネルギー(λ)が必要であり、これは一電子還元過程においてmetal-oxo結合の伸長が生じるためです。
マーカス理論により、Sc(3+)結合後の再配向エネルギーλの値が結合前に比べて小さくなっていることがわかりました。これはSc(3+)の結合により、電子移動する前からすでにmetal-oxo結合が伸長しているため、一電子還元に伴うmetal-oxo結合距離の変化が小さくて済むためだと考えられます。
つまり、Sc(3+)の結合によりλが小さくなるため、Eredが大きくなると考えられます。
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