Trapping Iron(III)−Oxo Species at the Boundary of the “Oxo Wall”: Insights into the Nature of the Fe(III)−O Bond
ErikAndris, RafaelNavrat́il, JurajJasí̌k, MayankPuri, MiquelCostas, Lawrence Que, Jr., and Jana Roithova
DOI: 10.1021/jacs.8b08950
•錯体2(TPA)、3(TQA)において、同じtrigonal型錯体であるにも関わらず、スピン状態が異なる理由
•錯体2(TPA)、3(TQA)において、同じtrigonal型錯体であるにも関わらず、スピン状態が異なる理由
Complex 2: Que, L., Jr. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 2003 , 100, 3665−3670.
Complex 3: Que, L., Jr. J. Am. Chem. Soc. 2015 , 137, 2428−2431.
錯体3は錯体2に比べて、軸位のFe–Nax結合距離が伸びているため、軌道相互作用が小さくなり配位子場分裂が小さくなるため、z軸に関与するd軌道のエネルギー準位は下がると考えられます。
一方、平面のFe–Neq平均結合距離はわずかに短くなっているため、xy軸に関与するd軌道のエネルギー準位は上がると考えられます。
以上のことから、相対的に錯体3では錯体2に比べて高スピン状態をとることが可能になるため、このようなスピン状態の違いが生じたのだと考えられます。
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