Preparation and characterisation of a bis-μ-hydroxo-Ni(III)2 complex
Giuseppe Spedalotto, Robert Gericke, Marta Lovisari, Erik R. Farquhar, Brendan Twamley, Aidan R. McDonald
DOI: 10.1002/chem.201902812
Chem.
Eur. J. 2019, 25,
11983-11990.
This paper shows the synthesis, characterization, and reactivity properties of bis-μ-hydroxo-Ni(II)Ni(III) and bis-μ-hydroxo-Ni(III)2 complexes. It is a first example of high-valent bis-μ-hydroxo-Ni2 complexes.
Q1; [Ni(DMSO)6](ClO4)2 はどこで手に入れた?
A1; 本論文中ではこのNi塩ついての合成や購入の有無についての記載はありませんでした。
僕が調べた限りではこのNi塩は売られていませんでした。合成方法に関しては、試薬会社から入手可能なNi塩である[Ni(H2O)6](ClO4)2 をDMSOに溶かし、数時間加熱し、その後冷やすことで [Ni(DMSO)6](ClO4)2の結晶が得られるようです。
Elzbieta Szostak and co-workers, Journal of Physical Sciences, Volume 62, Issue 1-2, Pages 67-74.
DOI; https://doi.org/10.1515/zna-2007-1-210
Q2; Complex 1と2の立体構造の違いについて
A2; Complex 1に関しては結晶構造のτ値が0.22であったことから歪んだsquare-planar構造であることがわかっています。
また、Complex 1と2のEXAFS測定の結果は以下のようになり、
これらの値はDFT計算の結果より、いずれも歪んだsquare-planar構造であるseesaw型であることがわかりました。よって、Complex1と2で立体構造は変化していません。
Q3; hydroxo架橋のhydroxo anionはどこからくるのか。
A3; 著者らは反応に用いたDMF溶媒に含まれる水の存在が重要だと述べています。
しかし、Complex 1は系中に水が多すぎると不安定ることも述べられていました。
Q4; DFT計算で中心Niの酸化数がわかるか
A4; Mulliken spin density plot測定が行われています。Complex 3に関しては、dz2 characterにNi(III)中心は(triplet: 0.909, 0.918; singlet; 0.900, -0.912)の電子スピン密度あることが計算によりわかっています。S=1およびS=0の状態のいずれも安定であり、0.12 kcal/molしかエネルギー差はありませんでした。
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