Enzymatic hydroxylation of an unactivated methylene C–H bond guided by molecular dynamics simulations
Nature Chemistry 7, 653 (2015). doi:10.1038/nchem.2285
Authors: Alison R. H. Narayan, Gonzalo Jiménez-Osés, Peng Liu, Solymar Negretti, Wanxiang Zhao, Michael M. Gilbert, Raghunath O. Ramabhadran, Yun-Fang Yang, Lawrence R. Furan, Zhe Li, Larissa M. Podust, John Montgomery, K. N. Houk & David H. Sherman
The reactivity of a monooxygenase (P450 PikC) has been modified through protein and substrate engineering, and applied to the oxidation of unactivated methylene C–H bonds. The protein engineering was guided by using molecular dynamics and quantum mechanical calculations to develop a predictive model for substrate scope, site selectivity and stereoselectivity of the C–H hydroxylation.
過去にC. White らは、基質の立体的な込み具合と、1級か2級かなど電子的な要因を注意深く検討することで、複雑な化合物でも位置特異的な水酸化反応がおこなえる事を示しました(Science, 2010, 327, 566)。触媒としてcis-4配位の鉄錯体を、酸化剤として過酸化水素を用いて用いています。
この研究では、そのような先例をふまえ、錯体触媒では酸化が難しい位置の水酸化が、タンパク質という土台を使う事で可能になるというコンセプトです(下図 Figure 1、赤色領域)。
とはいえ、無置換アルキルではさすがに無理です。カルボン酸を配向基として用いて、基質が活性種にアクセスする方法をコントロールしています。
有機金属の領域で特に、配向基とよばれる、金属への配位能をもつ官能基に隣接する位置の化学変換が盛んにおこなわれていますが(茶谷先生のグループもそう)、配向基から遠い位置が酸化されるというところもポイントです。
そんなことは、酵素では普通にやっていることなのですが、基質の適用範囲を広げ、どの基質であれば、どこが酸化されるかを、シミュレーションで予測できるようにした、というのが、先駆的な点のようです(下図、右)。
この図は、基質(メントール)の4位の二種類の水素と、活性種であるオキソの距離を横軸に、四位炭素と水素とオキソの結合角を縦軸にとっています。これらがそれぞれ、距離ゼロ、角度180度となる点が、オキソによって水素が引き抜かれた状態(原点)を示すのですが、これに近いいちにある水素(図では緑)が優先的に酸化されるということです。
緑、黄色の点がいっぱいあるのは、こんフォメーションがたくさんあるからだと思います。
過去にC. White らは、基質の立体的な込み具合と、1級か2級かなど電子的な要因を注意深く検討することで、複雑な化合物でも位置特異的な水酸化反応がおこなえる事を示しました(Science, 2010, 327, 566)。触媒としてcis-4配位の鉄錯体を、酸化剤として過酸化水素を用いて用いています。
この研究では、そのような先例をふまえ、錯体触媒では酸化が難しい位置の水酸化が、タンパク質という土台を使う事で可能になるというコンセプトです(下図 Figure 1、赤色領域)。
とはいえ、無置換アルキルではさすがに無理です。カルボン酸を配向基として用いて、基質が活性種にアクセスする方法をコントロールしています。
有機金属の領域で特に、配向基とよばれる、金属への配位能をもつ官能基に隣接する位置の化学変換が盛んにおこなわれていますが(茶谷先生のグループもそう)、配向基から遠い位置が酸化されるというところもポイントです。
そんなことは、酵素では普通にやっていることなのですが、基質の適用範囲を広げ、どの基質であれば、どこが酸化されるかを、シミュレーションで予測できるようにした、というのが、先駆的な点のようです(下図、右)。
この図は、基質(メントール)の4位の二種類の水素と、活性種であるオキソの距離を横軸に、四位炭素と水素とオキソの結合角を縦軸にとっています。これらがそれぞれ、距離ゼロ、角度180度となる点が、オキソによって水素が引き抜かれた状態(原点)を示すのですが、これに近いいちにある水素(図では緑)が優先的に酸化されるということです。
緑、黄色の点がいっぱいあるのは、こんフォメーションがたくさんあるからだと思います。
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