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雑誌会回答:Alkyl Isocyanates via Manganese-Catalyzed C−H Activation for the Preparation of Substituted Ureas


Xiongyi Huang,Thompson Zhuang,Patrick A. Kates, Hongxin Gao, Xinyi Chen, and John T. Groves* Department of Chemistry, Princeton University, Princeton, New Jersey 08544, United States 


DOI: 10.1021/jacs.7b07658
J. Am. Chem. Soc. Article ASAP


マンガン錯体を用いた脂肪族C-H結合の直接的なイソシアネート化を報告しています。さらに、触媒反応条件下においてMn(IV)中間体の観測を行い、反応メカニズムの解明を行いました。

Abstract
本研究では、TMP(5,10,15,20-tetramesitylporphinato)やsalen(N,N'-bis(3,5-di-tert-butylsalicylidene)-1,2-cyclohexanediamino)を配位子に有するMn錯体を用いて、C-H活性化による脂肪族イソシアネートの最初の合成法を報告しています。さらに、イソシアネート化合物は容易に尿素へと変換可能であることも分かりました。反応機構の解明のため、中間体として想定されるMn(IV)-NCO錯体を合成し同定することで、そのイソシアネート基がラジカルと反応することを明らかにしました。また、EPRスペクトルの結果から、触媒反応条件下においてMn(IV)種が存在することを確認しました。

質問
OHのリバウンドは起こらないのか?

回答
本反応において反応中間体の軸配位子に関してL=OH, NCOのどちらかということは明記されておらず、また触媒反応後の生成物として水酸化されたものが生成したとは書いていませんでした。

先行研究のC-H結合のフルオロ化の場合に、OHのリバウンドが起こらない理由が以下のように考察されています。

軸配位子にOH、Fや=Oのような強いドナー性配位子の場合、ラジカルのリバウンドの速度が基質の2-norcaranyl radicalの転移速度(10^8 s-1)よりも遅いということが実験的に示されました。従って、軸にFが配位している場合にはOHのリバウンドよりもFのリバウンドが速いため、フルオロ化が選択的に進行すると考えられます。
Science. 2012, 337, 1322
Acc. Chem. Res. 2015, 48, 1727

本研究においても実験的には示されていませんが、フルオロ化と同様に、OHのリバウンドよりもNCOのリバウンドが速いため、副生成物として水酸化されたものは生成しないと考えられます。







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