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7/4 雑誌会回答(青木)

Arylruthenium(III) Porphyrin-Catalyzed CH Oxidation and Epoxidation at Room Temperature and [RuV(Por)(O)(Ph)] Intermediate by Spectroscopic Analysis and Density Functional Theory Calculations

Ka-Pan Shing,† Bei Cao,† Yungen Liu,† Hung Kay Lee,‡ Ming-De Li,† David Lee Phillips,Xiao-Yong Chang,† and Chi-Ming Che*,,§

Abstract
軸配位子にフェニル基を有するRu(III)ポルフィリン錯体[RuIII(TDCPP)(Ph)(OEt2)](1を合成し、その錯体を触媒に用いてアルカンの酸化反応やアルケンのエポキシ化反応を検討しました。触媒反応の反応活性種であると想定される、錯体1と酸化剤の反応によって生成する、[RuV(TDCPP)(Ph)(O)](2)について分光学的手法、速度論的検討、計算化学的手法によって同定を行いました。本論文で、不安定なオキソ種の観測に成功したのは、軸配位子のフェニル基のカルボアニオンによる強いσ供与性によって、不安定なオキソ種を安定化したためであると考えられます。

Question
trans-dioxoRu(VI) ポルフィリン錯体[RuVI(TDCPP)(O)2](3が反応活性種でないのはなぜか?

Answer
本論文中では、trans-dioxoRu(VI) ポルフィリン錯体を用いてエポキシ化反応を検討したところ、反応が進行せず生成物のエポキシ化合物が得られなかったため、錯体3は反応活性種ではないと議論されていますが、それ以上の言及はありませんでした。

著者の先行研究(Inorg. Chem., 2006, 45, 4769)でルテニウム錯体を用いたアルカンの酸化反応において以下の機構が提唱されています(Scheme 1)。

(Scheme 1 ルテニウム錯体を用いたアルカンの酸化反応における推定反応機構)

この機構では、dioxo-Ru(VI)錯体と基質との反応のサイクルはoxo-Ru(V)錯体と基質との反応サイクルに比べて、非常に遅い反応になっています。今回の反応においても同様の機構で反応が進行すると考えられます。


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