Experimental Evidence for pKa-Driven Asynchronicity in C–H Activation by Terminal Co(III)-Oxo Complex
J. Am. Chem. Soc. 2019, 141, 4051−4062
DOI: 10.1021/jacs.8b13490
Q. ηとはどういった値か
ηは非同期なプロトンと電子移動の熱力学的に知ることのできる値です。
上図で示すような軸を設定したグラフにおいて
E°H=E°eff+RT/F×ln(10)×pKa,eff, (1)
の式からE°Hを算出し、軸にベクトルとして描きます。
次に、E°effおよびRT/F×ln(10)×pKa,effの値から点をプロットします。
この点と∆E°Hの軸との距離がηの値となります。
また
η=2^(−1/2)×(ΔE°eff−RT/F×ln(10)×ΔpKa,eff). (4)
という式も成立します。
非同期な水素原子移動反応においては、電子移動が優勢(ETPT)であればηはより正側の値を取り、プロトン移動が優勢(PTET)であればηはより負側の値を取ります。
今回の論文では、ηが負の値を取っていたことからプロトン移動が電子移動よりも優勢であると主張しています。
またE°effはE°とE°’、pKa,effはpKa,redとpKa,oxの平均値として定義しており、それぞれの値は下図で示されるE°およびpKaです。
DOI: 10.1021/jacs.8b13490
末端にオキソを持つコバルト三価錯体を用いて、様々な基質のC–H結合活性化について検討を行い、反応性が基質のpKaに依存することやその反応機構がPTETではなくCPETであること実験的に調べた論文です。
Q. ηとはどういった値か
ηは非同期なプロトンと電子移動の熱力学的に知ることのできる値です。
上図で示すような軸を設定したグラフにおいて
E°H=E°eff+RT/F×ln(10)×pKa,eff, (1)
の式からE°Hを算出し、軸にベクトルとして描きます。
次に、E°effおよびRT/F×ln(10)×pKa,effの値から点をプロットします。
この点と∆E°Hの軸との距離がηの値となります。
また
η=2^(−1/2)×(ΔE°eff−RT/F×ln(10)×ΔpKa,eff). (4)
という式も成立します。
非同期な水素原子移動反応においては、電子移動が優勢(ETPT)であればηはより正側の値を取り、プロトン移動が優勢(PTET)であればηはより負側の値を取ります。
今回の論文では、ηが負の値を取っていたことからプロトン移動が電子移動よりも優勢であると主張しています。
またE°effはE°とE°’、pKa,effはpKa,redとpKa,oxの平均値として定義しており、それぞれの値は下図で示されるE°およびpKaです。
ηの値について以下の論文を参考にしました。
Martin Srnecet al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 2018, 115 (44), E10287.
doi.org/10.1073/pnas.1806399115
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