Mechanistic
Insights into the Enantioselective Epoxidation of Olefins by Bioinspired
Manganese Complexes: Role of Carboxylic Acid and Nature of Active Oxidant
Q.カルボン酸として2-ethylhexanoic
acid (EHA)を用いた理由
A.
K.P.BryliakovとE.P.Talsiら(K.P.Bryliakov , ACS Catal. 2012, 2, 1196)により、今回の実験で用いた錯体と類似した鉄やマンガン二価の四座配位錯体とH2O2を用いたカルコンのエポキシ化において、加えたカルボン酸が立体的に嵩高いほどエナンチオ選択性は増加することが報告されています。用いたカルボン酸は8種類で、以下の順でエナンチオ選択性の増加がみられました。
ギ酸<酢酸<n-ブタン酸=n-ペンタン酸=n-ヘキサン酸<イソブタン酸<tert-ペンタン酸<2-エチルヘキサン酸
オレフィンのエポキシ化において、錯体にカルボン酸が配位した活性な金属オキソ種に基質が近づく際に、カルボン酸の立体障害が大きいほど基質の近づく方向が制限されるためにこのような結果が得られたと考えられます。
従って、今回の実験では最も大きいエナンチオ選択性が得られる2-エチルヘキサン酸を用いたと考えられます。
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