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Achieving One-Electron Oxidation of a Mononuclear Nonheme Iron(V)-Imido Complex

Seungwoo Hong,  Xiaoyan Lu, Yong-Min Lee, Mi Sook Sei, Takehiro Oha, TakashiOgura, MartinCleḿancey, PascaleMaldivi, Jean-MarcLatour, RitimuktaSarangi,  and Wonwoo Nam 


DOI: 10.1021/jacs.7b08161 




 Fe(V)-イミドカチオンラジカル錯体についての論文です。Feイミド錯体は合成法が確立されておらず、その化学はまだあまり知られていません。先行研究において、著者らはtetraamido macrocyclic ligand(TAML)を配位子に持つ単核Fe(V)-イミド錯体、[FeV(NTs)(TAML)]-、(1)の合成に成功しました。そこで本論文では、錯体(1)を一電子酸化したFe(V)-イミド TAMLカチオンラジカル錯体、[FeV(NTs)(TAML•+)]、(2)の合成を行いました。錯体(2)は–40ºCで比較的安定であるため、様々な分光学的手法さらに計算化学的手法によって錯体の同定を行い、さらにC-H官能基化反応やナイトレン移動反応の反応性を検討しました。

様々な分光学的手法および計算化学的手法の結果、錯体(2)は反磁性(S=0)であることが分かりました。

錯体(2)の反応性を検討した結果、C-H結合の官能基化反応では、C-H結合のBDEに対してKIEの値が良い直線性を示したため、錯体(2)による基質の水素原子引き抜きが律速段階段階であることが分かりました。また、ナイトレン移動反応では、パラ置換チオアニソールの一電子酸化電位Eoxの値に対してlog k2の値が良い直線性を示したため、電子移動が起こったのちにナイトレンの移動が起こることが示されました。

これらの反応において錯体(2)(S=0)は錯体(1)(S=1/2)に比べて良い反応性を示します。本論文中では、スピン状態の違いが直接反応性の向上につながっているとは述べられていませんが、より詳細な検討によってそれらが明らかになると面白いと思いました。


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