Matthew J. T. Wilding, Diana A. Iovan, and Theodore A. Betley*
Department of Chemistry and Chemical Biology, Harvard University, 12 Oxford Street, Cambridge, Massachusetts 02138, United States
DOI: 10.1021/jacs.7b06682 J. Am. Chem. Soc. 2017, 139, 12043−12049
ハイスピン状態を有する鉄(III)イミド錯体を初めて単離し、トルエンのC–Hアミノ化反応について報告しています。
その反応性を他の電子構造を有するイミド錯体と比較することで、電子構造が反応性に与える影響について考察しています。
abstract
二座ビピリリン配位子を有する鉄(II)クロライド錯体をカリウムグラファイトで還元することで、出発錯体として鉄(I)錯体を合成しています。この鉄(I)錯体とアダマンチルアジドとの反応から、鉄(III)イミド錯体の生成を確認しています。
EPR,SQUID,DFT計算から、このイミド錯体はこれまで前例のなかったハイスピン(S=5/2)であることがわかりました。
この錯体はホスフィンへのイミド基の移動反応や、シクロヘキサジエンからの水素引き抜き、またトルエンのCHアミノ化に対して活性でした。
その反応性と電子構造の関係について、分子軌道を用いて考察しています。
質問
平面三角形の配位子場分裂について
等価な配位子からなる平面三角形では、各配位子がxy平面上に存在すると仮定する以下のような準位となります。
オキソやイミドが配位する場合は、π相互作用などの考えやすさから、z軸方向から配位すると仮定することが多いようです。
その際、以下のように分裂すると考えられています。平面三角形がxz平面に存在すると仮定すると、dxzがエネルギー的に不安定化し、xy平面に存在するdx2-y2, dxyは安定化します。
dz2については、4s、4pz軌道との混成が起こるため、安定化して上記の準位となるそうです。
J. M. Smith, and co. worker J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 10515– 10517.
Department of Chemistry and Chemical Biology, Harvard University, 12 Oxford Street, Cambridge, Massachusetts 02138, United States
DOI: 10.1021/jacs.7b06682 J. Am. Chem. Soc. 2017, 139, 12043−12049
ハイスピン状態を有する鉄(III)イミド錯体を初めて単離し、トルエンのC–Hアミノ化反応について報告しています。
その反応性を他の電子構造を有するイミド錯体と比較することで、電子構造が反応性に与える影響について考察しています。
abstract
二座ビピリリン配位子を有する鉄(II)クロライド錯体をカリウムグラファイトで還元することで、出発錯体として鉄(I)錯体を合成しています。この鉄(I)錯体とアダマンチルアジドとの反応から、鉄(III)イミド錯体の生成を確認しています。
EPR,SQUID,DFT計算から、このイミド錯体はこれまで前例のなかったハイスピン(S=5/2)であることがわかりました。
この錯体はホスフィンへのイミド基の移動反応や、シクロヘキサジエンからの水素引き抜き、またトルエンのCHアミノ化に対して活性でした。
その反応性と電子構造の関係について、分子軌道を用いて考察しています。
質問
平面三角形の配位子場分裂について
等価な配位子からなる平面三角形では、各配位子がxy平面上に存在すると仮定する以下のような準位となります。
オキソやイミドが配位する場合は、π相互作用などの考えやすさから、z軸方向から配位すると仮定することが多いようです。
その際、以下のように分裂すると考えられています。平面三角形がxz平面に存在すると仮定すると、dxzがエネルギー的に不安定化し、xy平面に存在するdx2-y2, dxyは安定化します。
dz2については、4s、4pz軌道との混成が起こるため、安定化して上記の準位となるそうです。
J. M. Smith, and co. worker J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 10515– 10517.
Ray,
K. and co. workers Eur. J. Inorg. Chem. 2013, 2013, 3784–3807.
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