Bin Wang1, Yong-Min Lee1, Woon-Young Tcho1, Samat Tussupbayev2,3, Seoung-Tae Kim2,3, Yujeong Kim4,
Mi Sook Seo1, Kyung-Bin Cho1, Yavuz Dede5, Brenna C. Keegan6, Takashi Ogura7, Sun Hee Kim4, Takehiro Ohta7,
Mu-Hyun Baik2,3, Kallol Ray8, Jason Shearer6 & Wonwoo Nam1,9
DOI: 10.1038/ncomms14839
概要
Co(IV)オキソ錯体の単離し、その反応性について報告しています。
水素原子引き抜き反応、酸素原子挿入反応に対して活性を有することが明らかになりました。
abstract
Co(II)錯体とヨードソベンゼンの反応から、Co(IV)錯体を生成しています。
UV、EPR、質量分析、ラマンからCo(IV)オキソの同定を行っており、EXAFSなどからその構造情報についても考察しました。一般に 後周期遷移金属錯体では、オキソとの結合を考えた際に反結合性軌道に電子が格納されるため、二重結合性を有するオキソ錯体の生成は困難となります。一方今回の錯体では、非結合性の軌道に電子が格納されるため、結合次数を保ちつつオキソ錯体を形成しています。
雑誌会質問 回答
質問
Co(IV)錯体をデカメチルフェロセンを用いて還元した際のEPRの帰属について。
Co(IV) g = 6.5, 4.4, 2.02
Co(III) EPR scilent g = 4.4, 2.00 はデカメチルフェロセニウム由来のシグナル
Co(II) g = 6.0, 3.2, 1.85
EPRは不対電子を検出する分光手法です。磁場中の不対電子はゼーマン分裂により、電子間にエネルギー順位差が生じます。このエネルギー差に対応したマイクロ波を吸収することで、シグナルが観測されます。生じるエネルギー差ΔEの比例定数gをg値といい、シグナルが観測された時のg値を知ることでその化合物の電子構造について考察できます。
今回のCo錯体では、Co(III)ではESRサイレントでしたので、不対電子が存在しない低スピン状態であると考えられます。
Co(IV)、Co(II)ではそれぞれg=6, 2付近にシグナルが観測されています。
これはS=3/2に特徴的なシグナルであり、それぞれ中間スピン、高スピン状態であることが示唆されています。
DOI: 10.1038/ncomms14839
概要
Co(IV)オキソ錯体の単離し、その反応性について報告しています。
水素原子引き抜き反応、酸素原子挿入反応に対して活性を有することが明らかになりました。
abstract
Co(II)錯体とヨードソベンゼンの反応から、Co(IV)錯体を生成しています。
UV、EPR、質量分析、ラマンからCo(IV)オキソの同定を行っており、EXAFSなどからその構造情報についても考察しました。一般に 後周期遷移金属錯体では、オキソとの結合を考えた際に反結合性軌道に電子が格納されるため、二重結合性を有するオキソ錯体の生成は困難となります。一方今回の錯体では、非結合性の軌道に電子が格納されるため、結合次数を保ちつつオキソ錯体を形成しています。
雑誌会質問 回答
質問
Co(IV)錯体をデカメチルフェロセンを用いて還元した際のEPRの帰属について。
Co(IV) g = 6.5, 4.4, 2.02
Co(III) EPR scilent g = 4.4, 2.00 はデカメチルフェロセニウム由来のシグナル
Co(II) g = 6.0, 3.2, 1.85
EPRは不対電子を検出する分光手法です。磁場中の不対電子はゼーマン分裂により、電子間にエネルギー順位差が生じます。このエネルギー差に対応したマイクロ波を吸収することで、シグナルが観測されます。生じるエネルギー差ΔEの比例定数gをg値といい、シグナルが観測された時のg値を知ることでその化合物の電子構造について考察できます。
今回のCo錯体では、Co(III)ではESRサイレントでしたので、不対電子が存在しない低スピン状態であると考えられます。
Co(IV)、Co(II)ではそれぞれg=6, 2付近にシグナルが観測されています。
これはS=3/2に特徴的なシグナルであり、それぞれ中間スピン、高スピン状態であることが示唆されています。
コメント