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Chloride Control of the Mechanism of Human Serum Ceruloplasmin (Cp) Catalysis


Shiliang Tian, Stephen M. Jones, Anex Jose, and Edward I. Solomon*


セルロプラスミン(Cp)は血液中に含まれる銅の運搬と代謝、および鉄の代謝にも関与している蛋白です。この論文では血液中に最も豊富に存在するアニオンであるCl-Cp触媒作用の重要な役割を果たしていることを報告しています。



Cl-Cp中の部分的に還元された三核銅クラスター(TNC)と相互作用し、還元電位を変化させます。
この変化によりT1CuからTNCへの分子内電子移動(IET)を加速し、TNCからCp内へのIETを可能にすることで触媒回転が早くなることが分かりました。




コメント

Yuma Morimoto さんの投稿…
多核銅中心が、3つも寄り集まったややこしい酵素の論文ですが、紹介してくれてありがとうございます。
少し補足すると、T1サイトとは、マルチコアから少し離れて位置し、タンパク質表面に露出していて、コアへ電子を流し込む通り道となる銅中心の事です。

この酵素はT1サイトが3つあるので、すべてCu+の状態から、すべてCu2+の状態まで、4つの状態をとれます。
T1(Cu+,Cu+,Cu+)、T1(Cu2+,Cu+,Cu+)、T1(Cu2+,Cu2+,Cu+)、T1(Cu2+,Cu2+,Cu2+)
当然、すべてがCu+になっている状態が、一番還元力が高く、活性中心に電子を与えやすいですが、塩化物イオンの濃度が上がると、T1(Cu2+,Cu+,Cu+)、の状態も、活性中心に電子をあたえることができるようになって、酸素還元触媒能が一桁程度変わるようです。

体の中にたくさんある塩素イオンの濃度が変わると、酸素が還元されていく速度が変わるわけですから、老化や種々の疾患とも関連しうる発見と言えます。
多核銅錯体は、酸素の還元が非常に得意で、燃料電池の電極触媒に、なんとか応用したい物質で、その観点からも重要な成果だと思います。